侵入常態化と尖閣報道
2年前の平成24年9月11日、日本政府は沖縄県・尖閣諸島の3島(魚釣島、北小島、南小島)を国有化した。それに対し、中国政府が猛烈に反発したことは記憶に新しい。
日本国民の誰もが尖閣諸島を意識するきっかけになったのは、平成22年9月7日に起きた中国漁船による海上保安庁巡視船への衝突事件だろう。
当時、日本のマスコミは連日、尖閣諸島情勢の報道を続けていたが、最近はテレビでの報道はほとんどなく、新聞でも数行の記事でしか報道されなくなった。
そのためか、日本国民は「熱しやすく冷めやすい」と言われることが多いが、尖閣諸島情勢への関心も、時間が経つにつれ薄れているような気がしてならない。
報道量は減少しても、現在も中国公船が、尖閣諸島周辺の接続水域や領海に侵入を繰り返しており、海上保安庁巡視船が警戒・監視活動を続けている。
実際、36日連続(9月13日時点)で中国公船が尖閣諸島周辺で確認され、領海にも今年に入り計22回も侵入しており、中国公船による常態化した航行が続いている。
この事実をもっと大きく取り上げて報道するべきではないのか。マスコミは日本国民に知らせる責任があると思うのだが。
一方、陸上自衛隊はオスプレイ(MV22)の導入を予定している。尖閣諸島の防衛を考えるうえで、有効な抑止力となることは明らかだ。
一部のマスコミはいまだに、オスプレイは「欠陥機」であり「危険な飛行機」だとする報道を繰り返すだけで、抑止力の議論を意図的に避けているとしか思えない態度を取り続けている。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)にオスプレが配備された際にも、同じような論調で、配備に反対する報道を一部のマスコミは繰り返していた。
尖閣諸島情勢の報道量が減少するなか、オスプレイの導入・配備に反対する報道量が増えることは、中国を利することに繋がり、日本の安全保障上もマイナスとなる。マスコミの報道姿勢が問われていると、私は思う。(濱口和久)