国会議員の外遊 見聞広め政治の質向上を
この大型連休に日本国民は浮き足立っている。浮き足といっても逃げ腰になったわけではない。いかにこの長期休暇を楽しむか、その楽しい予想や計画で頭がイッパイだ。 永田町も例外ではない。政治家は常に国会対策と、選挙区対策で頭がイッパイだ。一息つく時間もままならない。しかし海外に出ると話は別だ。国会や選挙区の心配はゼロになる。その上世界各国に日本大使館が散在している。大使以下館員は外交のプロたちだ。
この大使館員たちが国会議員にサービスする。至れり尽くせりだ。政治家が海外に行きたがる理由のひとつになっている。だから大型連休は有り難い。永田町も選挙も忘れて羽を伸ばせるからだ。
外交官やその卵たちは現地の勉強を怠らないが、目はいつも東京を眺めている。一生外国暮らしのつもりはない。いずれ永田町で一旗揚げるのが目的だ。そのためには有力政治家に近づくことが大切だ。外国での交遊はその意味で大いに役に立つ。政治家と役人の馴れ合いといえばそれまでだが、双方にとって役に立つ付き合いだから、この交遊はしばらくは止むことはないだろう。
それにしてもこの大型連休で実に15名の閣僚が外遊する。外国で閣議ができるほどの人数だ。少々多すぎる感じがしてならない。しかし閣僚もまた人の子だ。咎めだてする気にはなれない。
百聞は一見に如かずだ。政治家も国民も時間とカネがあったらせいぜい外に出て見聞を広めてきた方がいい。それだけ日本がよくなる。
特に国会議員にそれを望みたい。以前と比べると国会議員の海外出張は多くなった。しかしその割には国会は旧態依然なのはいかなる次第か。
日本の民主政治も明治以来百年以上の年期を経ている。まさに民主政治の先輩長老の名に値する。しかしそれに値する実態と実質に乏しいのは残念至極だ。
日本人はマネが上手だといわれる。それならいっそのこと民主政治の分野でトップに立てばいいではないか。その資格がないわけではない。ただ細事にこだわって与野党がにらみ合っているだけだ。このあたりを卒業すれば永田町政治も満更ではない。
先週、オバマ米大統領が来日してアメリカ政治の片鱗を見せたが、さすがにスマートだった。日本がそれに追いつくことは必ずしも至難の業ではない。
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