「約束破った」とトランプ氏を非難


パレスチナ交渉局長

 パレスチナ解放機構(PLO)のサエブ・アリカット交渉局長は、トランプ米大統領が、中東和平交渉で一方的な行動をとらないという約束を破ったと主張、米政府に和平を仲介する資格はないと非難した。パレスチナ自治区エリコでワシントン・タイムズの取材に応えた。

 アリカット氏は2017年5月のホワイトハウスでの会談でトランプ氏が「(パレスチナと)イスラエルとの間の問題で、交渉に事前に影響を及ぼすような一方的な行動をとらない」と約束したが、一方的にエルサレムをイスラエルの首都に認定、大使館をエルサレムに移動させたと訴えた。

 トランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領補佐官が作成を進めている和平交渉案については悲観的な考えを表明。トランプ政権1年目に、「イスラエルとの交渉の根回し」を要請したが、米政権がこれを無視したため、米国への仲介の要請は断念したと述べた。

 アリカット氏によると「(大使館をエルサレムに移転させれば)和平交渉に関与する資格を失うことになる」とクシュナー氏に直接、訴えたが、聞き入れられなかったという。

 これに対しクシュナー氏に近い米政権当局者は、「そのような会談は行われなかった」とアリカット氏の主張を否定した。米政権は昨年、パレスチナ難民を支援する国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金援助を停止、ワシントンのPLO事務所を閉鎖するなど、パレスチナに対し厳しい態度を取り、パレスチナ側の反発を招いた。

(ワシントン・タイムズ特約)