キリスト教徒への暴力が倍増


米支援団体

 キリスト教徒に対する攻撃がこの数年間、増加傾向にある。キリスト教徒迫害を監視している米NPO「オープン・ドアUSA」によると、キリスト教徒に対する暴力的攻撃が2017年から18年に倍増し、1日にほぼ11人が信仰を理由に殺害されている。

 オープン・ドアUSAのサラ・カニンガム広報部長は、「イースター(復活祭)やクリスマスといったキリスト教の祭日ごろにはっきりと暴力的行動が表れる」と指摘した。

 17年の「枝の主日」にエジプトのカイロでキリスト教の一派コプト教の信徒が攻撃を受け、約50人が死亡。この年のクリスマスの1週間前には、パキスタン・クエッタの教会で、過激派組織「イスラム国」(IS)の支持者による自爆攻撃で9人が死亡した。

 オープン・ドアUSAによると、18年以後、4136人のキリスト教徒が信仰を理由に殺害され、1200の教会、キリスト教関連施設が破壊された。

 キリスト教徒が攻撃を受けている国では、教会は目立つことを避け、礼拝などは小グループで個人の家で行い、20分で解散するようアドバイスしているという。

 キリスト教徒支援団体「インターナショナル・クリスチャン・コンサーン」のジェフ・キング会長は、キリスト教徒への攻撃が米国ではあまり報じられないと指摘、それは主要メディアに「世俗主義者」が多く、キリスト教徒に対し懐疑的または興味がないことが一因だと訴えた。

 オバマ前大統領とクリントン元国務長官は22日、スリランカで発生したテロ事件をめぐってツイッターで「キリスト教徒」という言葉を使わず、「イースター礼拝者」と呼び非難された。

(ワシントン・タイムズ特約)