IS崩壊2年 いまだ暗躍


イラクとシリア 国連専門家が警告

 過激派組織「イスラム国」(IS)がイラクとシリアで樹立を宣言した「国家」の崩壊から2年がたつが、戦闘員1万人以上が依然としてこの地域で活動している。国連のテロ対策専門家が明らかにした。

戦闘員1万人超

 国連のボロンコフ事務次長(テロ対策担当)は国連安保理で24日、IS戦闘員は、「両国の間を小さなグループで」移動していると指摘、ISがイラク、シリアだけでなく、アフリカのサハラ砂漠南部サヘル地域の周辺国でも勢力を増していると警告を発した。

 ボロンコフ氏は「非戦闘地域での脅威は、短期的には減少したように見える」とした上で「インターネットで啓発された個人が、単独または小グループで攻撃を実行するケースが続いている。これは、新型コロナウイルス危機に乗じたISのプロパガンダによるものである可能性がある」と述べた。

 米国防総省の幹部らは、ISはすでに米国の安全保障にとって直接の脅威ではないと強調する。しかし、中東を担当する米中央軍のマケンジー司令官が、強固で、長期的な過激派対策構想が存在しないと対応の強化を求めたばかりだ。

 中東専門家らも、攻撃の背景には、ISに同調したさまざまな民族、国籍の若者の存在があると警告している。

(ワシントン・タイムズ特約)