核査察協力を要請、イランにIAEA事務局長


 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は25日、イランのサレヒ原子力庁長官と会談し、未申告の核関連施設への査察協力を要請した。イラン学生通信(ISNA)が同日、報じた。

25日、テヘランで共同記者会見するイランのサレヒ原子力庁長官(左)と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長=イラン原子力庁提供(EPA時事)

25日、テヘランで共同記者会見するイランのサレヒ原子力庁長官(左)と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長=イラン原子力庁提供(EPA時事)

 昨年12月の就任以来初めてイランを訪問したグロッシ氏は、会談後の記者会見で「IAEAのイランへのアプローチは政治的ではない。対処する必要のある問題が存在する」と述べた。グロッシ氏は、イランの政府機関が抱えている保障措置の義務(核の平和利用)に関する未解決問題を進展させ、査察官の受け入れに取り組むとしている。

 サレヒ氏は「IAEA はその専門的で独立した機関としての職務を遂行し、われわれも課せられた規制と義務の枠組みの中で行動する」と述べた。

 IAEA理事国(35カ国)は6月、イランが核開発を行った疑いがある未申告の核関連施設2カ所への査察を拒否していることから、IAEAへの核査察受け入れと全面協力を求める決議を採択している。

(エルサレム 森田貴裕)