イランがタリバンへの支援強化


アフガンの米兵攻撃か

 米政府当局者は、イランが、米軍による精鋭コッズ部隊のソレイマニ司令官殺害への報復として、アフガニスタンの反政府組織タリバンへの支援を強化している可能性があると警告。アフガンが米国とイランの代理戦争の場になるのではないかとの懸念も指摘されている。

 ハドソン研究所の南・中央アジア計画所長で、元駐米パキスタン大使のフサイン・ハッカニ氏は「イランは、アフガンで米国に痛みを与えるためにタリバンを支援している」と指摘、イランがアフガンを米国との新たな戦場とみているとの見方を明らかにした。

 イランと米国は2001年の同時多発テロ以降、タリバンなどによるテロとの戦いで協力してきた。しかし、トランプ政権は一昨年からタリバンとの直接交渉を行っている。

 ハッカニ氏は、「一部の攻撃はイラン内のタリバンの重要な避難所であるマシャドから、一部はパキスタンのクエッタで計画され、実施されている」と指摘、イランとタリバンが関係を深めることで、タリバンによる攻撃の発信源が隠蔽(いんぺい)されていることを明らかにした。

 既に米政府高官もアフガンの不安定化に懸念を表明している。ポンペオ国務長官はソレイマニ司令官殺害直後の7日、「イランの汚い仕事へのタリバンの関与は、アフガン和平交渉の阻害要因にしかならない」とイランが和平交渉を妨害する可能性を強調した。

 ハッカニ氏は、イランはこれまでタリバンへの協力に消極的だったが、ソレイマニ氏殺害でタリバンへの協力は「加速した」と指摘、アフガンが米イランの代理戦争の場になると警告した。

(ワシントン・タイムズ特約)