米初の孔子学院が閉鎖へ


受け入れ大学への支援停止

 米国内で最も古い孔子学院が、閉鎖されることになった。2019年国防権限法で、孔子学院の受け入れを続ける大学に対する国防総省からの資金援助を制限することが決定されたことを受けた措置。

 メリーランド大学のワリス・ロー学長は1月17日、「国防権限法のUMD(メリーランド大学)への影響を評価した結果、CIM(メリーランド大孔子学院)をこれ以上維持できないことが明らかになった」と述べた。

 ロー学長によると、大学側は北京の孔子学院本部に、2004年に交わした学院設置の合意破棄の意向をすでに伝えたという。

 孔子学院は、中国政府から支援を受けており、「中国語、文化、道徳、哲学の研究を通じて今日の中国への理解を深める」(CIMのサイト)ことを目指すとされている。学院を受け入れている教育機関に中国語教師や教材を提供しているが、大学の単位は取得できない。

 大学内の孔子学院は、全米に90校あり、資金援助を失うか、学院を閉鎖するかの選択を迫られている。

 ロー学長は「米中関係は世界的、戦略的に重要だ。UMDは今後も、中国語と中国文化の教育、研究に関与していく」と強調している。

(ワシントン・タイムズ特約)