混乱する米の韓半島政策、トランプ氏の関心低下も
韓国紙セゲイルボ
韓国の立場からすれば、ワシントンは1年前よりさらに混乱して見えた。北朝鮮と共にワシントンが“韓半島危機論”を煽(あお)り立てたからだ。「在韓米軍の家族撤収」から「鼻血戦略」(制限的先制打撃)の稼働まで、増幅された危機論の一つの軸にはトランプ大統領が存在していた。
彼は“瀬戸際戦術”を取る北朝鮮政権に対抗して“予測不可能さ”を武器とした。両国関係が“言葉の戦争”で険悪化し、“核ボタンの大きさ”まで口にして不安感をさらに煽った。偶発的な軍事衝突の可能性も心配されたほどだ。
軍事衝突の余地を狭めた当事者はトランプ大統領と南北の指導者だった。最高潮に達していた韓半島危機論は金正恩朝鮮労働党委員長の新年の辞を皮切りに、平昌冬季五輪と一連の首脳会談を経て大きく鎮静化した。
トランプ大統領が不確実性を武器に北朝鮮を対話の空間に呼び出し、韓米協調の枠組みをつくったという自己評価がホワイトハウスの一部から出た。
とはいえ、不安感は減ったが混乱は相変わらずの2018年末、トランプ大統領は長い休暇に入っている。韓半島に関しては、19年に大統領選挙の公約だった“金正恩とのハンバーガー対談”で所期の成果を出そうとすることもあり得る。
問題は2020年の大統領選挙を控えて“トランプのホワイトハウス”がますます混乱することもあるという点だ。昨年よりも強まった政治的困難に直面したトランプ大統領が南北問題に向ける関心を低下することもあり得る。これは文在寅政府や北朝鮮政権にとっても困難として作用するだろう。今こそ3人の指導者全ての努力が必要だ。
(朴鍾賢国際部次長、12月24日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。