アジア大会でも浮上正解のない“兵役特例”
韓国紙セゲイルボ
特別法でなく一般法であるのに、例外を認める特例条項がおびただしい。国際スポーツ大会入賞者の兵役特例を規定した兵役法が代表的だ。国民の4大義務の一つである国防の義務を免除する問題であるだけに、いつも論議の的となる。
先頃閉幕したジャカルタ・アジア競技大会で韓国サッカー代表の孫興民の兵役免除と、プロで固めた野球チームの選手選抜が問題となり、賛否論がより熱くなった。
金メダルを取って兵役特例の恩恵を受けることになった選手は42人だ。このうちサッカーが20人で野球が9人だ。野球チームに対しては、銀メダルか銅メダルを願っているという苦言が殺到した。わずか数分だけ出場し兵役を免除された選手もいる。
彼らが兵役特例を受けたのは、金メダルを首に掛けて兵役法上の「国威宣揚」を行ったためだ。時代が変わって、「国威宣揚」に対する国民の目線が変わった。
国威宣揚の貢献度でいえば、今年5月、米国のヒットチャート「ビルボード200」の1位にランクされ、3カ月ぶりにまた頂点に立った防弾少年団(BTS)にも兵役免除が与えられるべきだという声が溢(あふ)れている。
K-POPを通じて韓国大衆文化の優秀性を全世界に伝え、莫大(ばくだい)な経済効果までもたらす韓流スターの国威宣揚の程度は運動選手たちのそれに優るとも劣らない。
核心は兵役恩恵の公正性だ。国際大会が兵役回避の手段として悪用される側面が大きい。兵務庁が体育・芸術分野の兵役特例の全面再検討方針を明らかにしたが、公平性の論議は避けられない。例外を認める制度に100%の満足はない。
(金起弘論説委員、9月4日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。