10年続けば“長寿”の韓国政党


韓国紙セゲイルボ

選挙控え看板書き換えに腐心

 「国民の党」と「正しい政党」が合併し「正しい未来党」が13日、創立大会を行い公式にスタートした。その1週間前には国民の党合併に反対して飛び出た「民主平和党」が別に創党式を行った。6月の地方選挙を控えて二つの党がなくなり二つの党がつくられたのだ。

安哲秀氏

国民の党の候補として昨年5月の大統領選を戦った安哲秀氏。今月13日、正しい政党と合併し、正しい未来党を立ち上げた(AFP時事)

 しかし、両政党の構成員は全く変わっていない。既存の二つの政党の看板政治家たちが代表となり、新しい人材を登用したという話は聞こえてこない。

 選挙を控えて看板を書き換えるのは韓国政治の常套(じょうとう)手段だ。国民の党と正しい政党も各々2016年総選挙と17年大統領選挙を控えて急造された政党に過ぎない。だから、国民の党は創党2年で、正しい政党は1年余で看板をすげ替えたわけだ。

 政党の頻繁な消長、党名の頻繁な書き換えぐらい韓国政治の後進性を見せる事例もない。人物と政策は変わっていないのに、選挙を控えて離合集散し看板だけを換えるイベントに転落したのが韓国政治の新党創党と党名変更だ。

 1945年の植民地解放後、韓国では約500もの政党が生まれては消え、政党の平均寿命は約3年だという。10年続けば“長寿政党”リストに名が載るのが韓国政治の現実だ。

 先進国でこのように党名がしばしば変わる国は聞いたことがない。米国は1828年民主党、1854年共和党が創党された以後、ずっと同じ名前を使っている。議会政治の祖である英国もまた保守党は1912年、労働党は1906年創党以後、党名を変えていない。

 今回創党された正しい未来党と民主平和党は過去どの政党よりもさまざまな面で脆弱(ぜいじゃく)に見える。強固な地域基盤を揃(そろ)えることができなかったし、優れた大衆性を保有した政治家も目に触れない。異質な勢力が結合した正しい未来党は政治綱領政策についても、まとまっていない。共に民主党、自由韓国党という二つの巨大政党の間で、自らの地位を固めなければならないという困難を抱えている。

 6月の地方選挙を行えば、次の総選挙まで2年だ。またどんな政党が消え、どんな政党が新しく登場するのだろうか。

(パク・チャンオク論説委員、2月17日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。