自滅の道行く韓国の保守勢力
“地殻変動”は最後の再生機会
保守が支離滅裂になっている。李明博(イミョンバク)元大統領が先月、国家情報院特殊活動費授受疑惑などに対する検察の捜査を、「保守壊滅を狙った政治工作」だと批判した。
数日後、自由韓国党の洪準杓(ホンジュンピョ)代表は、「文在寅(ムンジェイン)政権の積弊清算は保守右派を根絶やしにしようということ」だと言った。軽率な言葉だ。保守が壊滅し、種が枯れていくというのは間違いないが、政治工作や積弊清算と連結させることなのかは疑問だ。
保守は自滅している。特に保守政党の自由韓国党が問題である。保守が進む方向やビジョンを提示できずにいる。過去の保守政権の失敗に対する省察や反省もない。旧時代のフレームにぶらさがり、政府の政策に反対だけしている。保守志向の支持者を結集するほどの議題を出せずにいる。
人材難も深刻だ。保守の看板として打ち出すほどの人物が見当たらない。新進勢力を育てることができなかった。保守元老らに期待するのも難しい。6月の地方選挙を控えて、出馬要請をした有力要人らはみな固辞した。
保守の失敗は韓国政治発展の障害物だ。保守と進歩が時には競争し、時には協力してこそ国政の懸案を順調に解決していくことができる。そうするならば保守と進歩が合理的で元気な姿を維持しなければならない。いま自由韓国党は政府と与党の敵失だけを待っているようだ。それでは国だけが台無しになる。
このままでは保守勢力はますます立つ瀬がなくなる。政党は権力を掌握するために存在する。権力があってこそ政党の政策構想を実現することができるためだ。権力は政治の本質である。
自由韓国党に尋ねる。権力を実現するために何をしようとしているのか。権力に対する意思があるのか。国民の党と正しい政党の統合などで政界の地殻変動が進んでいる今が、保守が自らを補修する適正な時期だ。
今からでも時代精神を読んで新しいビジョンを提示しながら、保守らしい保守に変身しなければならない。韓国を希望に満ちた未来に導いていく役割を果たせとの注文だ。国民の信頼を取り戻すことができる機会だ。もしかしたら最後の機会なのかもしれない。危機意識と切迫感で変化の動力を探さなければならない。今のままではいけない。
(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、2月6日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。