北核問題解決に向けた米の圧力
中国の役割論には限界の声
北朝鮮の核・ミサイル問題の解決で、米国はなぜ中国にだけ圧力をかけるのか。北朝鮮を締めつける効果的で強力なカードが中国に最も多いからだ。国連の対北制裁も中国の強力な履行意思がなければ空念仏に終わる。
北朝鮮の対外貿易の大部分を占める中国の経済的影響力が“中国の役割論”の背景にある。北核問題解決の失敗を中国のせいにしようとする意図もあるだろう。
これに対して、中国は「やることはやった」と抗弁する。環球時報は3日付の社説で、「中国はやることはやったし、米朝は自分が犯したことに対して自ら責任を負わなければならない」と反発。「(米朝が戦争をする)最悪の状況が到来すれば、中国は中国式で安保利益を守って行くだろう」とも述べた。
中国が米国の要求に応じないのは戦略的利害が違うためだ。中国は安定的・持続的成長を望む。北政権の崩壊や戦争など非常事態が発生するのは受け入れられない。また北朝鮮を戦略的資産と思っているから、中国が米国の要求に従うと期待するのは現実的には難しい。
米国では中国の役割論の限界を指摘する声も出てきている。ニューヨーク・タイムズは北朝鮮が火星15型を発射した後、専門家たちの分析をこのように伝えた。
「北朝鮮が核プログラム開発を始めて以来、米国指導者らは中国が北核問題を解決するだろうと希望して、中国を動かすための戦略に没頭してきた。しかし、いまやその戦略が役に立ったかを考える時になった」
火星15型発射と「国家核武力完成」宣言は北核問題が新しい局面に入ったことを意味する。朝鮮半島周辺情勢も緊迫した状態で動いている。北ミサイルが事実上、米全域を射程圏に捉えた。トランプ政府がかつてなく北核問題に積極的に対応するのもこうした理由からだ。議会では対北朝鮮先制攻撃議論の必要性まで出されている。
だが、中国は“解決”よりは“状況管理”に重点を置くような態度を見せている。中国指導部が北朝鮮の核保有を認める方向に進んでいるという話も出ている。北朝鮮は核保有国認定を前提とした交渉の可能性を流している。北核をめぐる対立がどんな方向に展開するのか予断しにくい状況だ。
問題は韓国の対応だ。韓国政府に急変する朝鮮半島状況に合った北核戦略があるのか疑問だ。韓国が持つ外交安保の力を総動員させて、賢くこの峠を越さなければならないだろう。
(ウォン・ジェヨン国際部長、12月6日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。