難破船のように漂流する保守
何を守り何を補正するのか
保守本流を自任する自由韓国党はまるで難破船のようだ。方向を見失って漂流している。国会議席の3分の1以上を占める第一野党だが、現状は壊滅の危機に瀕しているといわれている。
同党シンクタンクの汝矣島研究院と正しい社会市民会議が開催した「保守価値再確立討論会」では、朴亨埈(パクヒョンジュン)前国会事務総長が、「大統領選挙・総選挙惨敗、弾劾事態を体験しながらも、誰一人政治的責任を負う人も、問う人もいない」として、「左派に対する怒りを動員資源として、嶺南(慶尚道)地方と高齢世代の支持に安住しようとする傾向が濃厚だ」と叱責した。
今日の韓国党は韓国政党政治の後退を如実に見せている。保守主義というのは、伝統と秩序を尊重しながら、漸進的改革を模索する考え方や態度を言う。保守は進歩とともに1990年代以後、韓国政治の現場論理を支配してきた。
韓国党が大統領弾劾事態で打撃を受けたからといって、現状態に居座っていてはならない。同党の最優先課題は変化と改革だ。英政治哲学者エドマンド・バークは“保守主義の経典”と呼ばれる著書『フランス革命に関する省察』で、改革の原則として、「保存」と「補正」を挙げている。「変化は不可避な離脱を招いた問題がある該当の部分に限定されなければならない」ということだ。韓国党は何を守って何を補正するのかを探し出し明確にしなければならない。
政治学者姜正仁(カンジョンイン)は、「果たして民主化以後、再結集された韓国の保守主義は自ら打ち出した自由民主主義と市場経済の原則に忠実なのか」と尋ねる。韓国党が答える番だ。以前のように理念的悩みなしで「親北朝鮮左派」または「ポピュリズム・衆愚政治」批判だけで間に合わせようとしてはならない。
韓国党の奮起を望む。今どこにいるのか、どこに進むのかを悩み、その道を探さなければならない。時代精神を読んで、新しい人材を探し出し、新しい保守を作っていかなければならない。
来年の地方選挙と改憲などの過程で機会の入り口が開かれるだろう。このまま座り込んでいていては、機会を逃して自滅するほかはないだろう。韓国党の刷新は韓国政治の未来がかかっている。
(朴完奎(パクワンギュ)首席論説委員、7月24日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。