“韓半島危機”を回避する方法は?
韓米同盟軸に独自のビジョンを
“韓半島危機説”をめぐるさまざまな状況をもう一度冷静に整理してみるべきだ。ひとまず幾つかの質問が想起される。
韓半島はいま本当に危機なのか。前例がない米国の決然とした態度をどのように理解すべきか。中国は本当に今回こそ最後まで“わが方”にいるだろうか。今回の機会に北核問題が解決されるだろうか。結局、韓国の運命は米国と中国の手に握られているのか。それなら韓国はこれからどうすべきか―。
まず、韓半島は本当に危機なのか。筆者はそうだと思う。北朝鮮の核開発は9合目を越えた。あと1、2度の追加核実験で、北自ら核実験中止を宣言するだろう。パキスタンも6度の核実験で核開発プロセスを終了したことがある。
このため前例がない米国の決然とした態度は理解できる。オバマ式の戦略的忍耐が限界を見せた以上、過去と違ったより強硬なオプションを使うしかないという判断である。だが、米国はやはり圧迫で北朝鮮の行動をしばらく止めることはできるが、核を放棄させることはできないという点をよく知っている。
中国は今回こそわが方になるのか。事象の断片を見れば、そのように見えるが、他の利益の代価として一時的な米中協力が行われているのだから、わが方になったと言うことも、また違うと言うこともでき非常に曖昧な状況だ。
ひょっとして今回は北核問題が解決されるのではないだろうか。この質問も残念ながらそうではない。北朝鮮の立場で核兵器保有という高地がまさに目の前なのに、この期に及んで諦めるにはとても惜しいと考えるだろう。核保有が即生存という指導部の認識が変わらない限り、核放棄は実現されにくい。
最後の質問だ。それでは韓国はどうすべきか。いつまで米中の手に韓国の運命を委ねておくべきか。非常に残念だが、今は他の方法がない。結局、韓米同盟という包括的で信頼できる外交安保資産を中心に韓国の能力と外交力を育て、これを通じて、北朝鮮問題解決のロードマップを韓国自ら作り、そのビジョンを米国と中国に積極的に説得できる力量が必要だ。
韓半島を取り巻く真の危機は「自信と主導力の不在」にあるのではないかという真剣な省察が必要な時だ。
(朴仁煇(パクインフィ)梨花女子大国際大学院教授・国際政治学、4月20日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。