傾く国運、「旧韓末」の様相


韓国紙セゲイルボ

国家革新で競わず観念論が横行

 国運が傾いている。3カ月間、この国は朴槿恵(パククネ)大統領弾劾審判で南と北に、嶺南と湖南に、進歩と保守に分裂し、世代対決まで起こった。太極旗部隊とろうそくデモにそれぞれ参加する親と子は互いに言葉も交わさない。それで滅びないのは珍しい。多くの人々は「韓民族の格別な底力のおかげだ」と楽観するが、それは錯覚だ。

800

12日、ソウルの朴槿恵前大統領の私邸前に集結した支持者ら(EPA=時事)

 韓国人には朝鮮王朝のDNAが綿々と流れている。朝鮮の指導層は尚武精神と技術立国で国を強化することより、観念論と名分論に陥って、内部争いに多くの時間を費やしてきた。『朝鮮はなぜ崩れたのか』の著者・鄭ビョンソクは「高麗末、度重なる外からの侵入の影響で朝鮮初期には富国強兵策議論が多かったが、中期になり朝廷の官吏らは責任回避の次元から名分と義理を重視する画一的性理学に陥った。包容と統合の精神が消え、丙子胡乱(清の侵攻)で国を奪われた頃には政争はもっと深刻だった」と書いた。

 1592年から1636年までの44年間は韓民族の歴史では酷寒期だ。壬辰倭乱(文禄の役)から始まり丙子胡乱まで外国の侵略が相次いだ。清の侵攻中にもかかわらず、仁祖と朝廷官吏はどうでもいい主題で争っていた。彼らは仁祖の生母死後、それを三回忌とするか、一回忌が正しいか、14代宣祖が仁祖(16代)の父なのか祖父かのようなことをめぐって争っていた。

 一方で王室が保有する漁場と塩漬けには税金が賦課されなかった。戦乱が迫ると大司諌が軍備のために特典を廃止しようと上訴したが、仁祖はきっぱりと棄却した。指導層は無能で無責任だった。

 歴史は繰り返す。憲法裁判所で弾劾が認容され、国を正しく立て直そうとするなら、国家革新をめぐって競うべきだ。国の安全と危機のために国民統合を指向し、国を堅固にすることに力を尽くすべきだ。

 だが、大統領を目指す野党圏の候補者の口からは革新と刷新競争が聞こえない。文在寅(ムンジェイン)前代表と安熙正(アンヒジョン)忠南知事が言う「積弊清掃論と大連合政府論」や「怒り論と善意論」論争は朝鮮の観念論と五十歩百歩だ。与党や保守陣営の反法治、反民主主義の言動も朝鮮時代を彷彿(ほうふつ)させるだけ。

 国の外は殺伐としている。屈強な指導者に囲まれている。金正恩朝鮮労働党委員長、習近平中国国家主席は連日、北東アジアを揺るがし、トランプ米大統領と安倍晋三首相も国益のためには地獄でも行く意思の指導者だ。旧韓末のように韓半島が列強の遊び場になるのは時間の問題だ。

 国内外が危険なこの時代、国家統合して危機を突破することが急務だ。米日中朝露の指導者と伍して国を守らなければならない。その力量と度胸を持った大きい器の指導者が切実に望まれる。

(白永喆(ペクヨンチョル)論説委員兼論説委員、3月10日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。