変わらぬ米中サード対立の構図、間に挟まり被害受ける韓国
サード(THAAD=高高度防衛ミサイル)問題で葛藤を見せてきた韓中、韓露関係は一連の首脳会談で、ひとまず“我慢比べ”に入っている。
朴槿恵(パククネ)大統領と習近平中国国家主席は5日、G20(主要20カ国)首脳会議を契機に開かれた韓中首脳会談で、各々既存の立場を明らかにしたが、激烈な破裂音が出ることはなかった。
3日の朴大統領とウラジーミル・プーチン露大統領の首脳会談でも、両国のサードに対する立場の差は相変わらずだったが、北核不用という原則は再確認している。
ただし、G20首脳会議を契機に開かれた米中首脳会談で、両国の対立構図がまた明らかになることで、管理局面の韓中、韓露関係とは別途に当分北東アジア緊張は続くと見られるだ。
康埈栄(カンジュンヨン)韓国外国語大国際地域大学院教授(中国学科)は、「米国は11月に大統領選挙があり、中国も来年に第19回党全国代表大会があって、日程が詰まっており、今後、北東アジア情勢は当分このように行くしかない」と語った。
徐鎮英(ソジンヨン)高麗大名誉教授(政治外交学科)は、「中国はサード問題を韓中、南北の問題ではなく、米中間の相互牽制(けんせい)次元で見ており、韓国がこの問題でいい返事をもらうのは容易でない」と指摘した。
専門家たちはG2(主要2カ国)の米中の対立に巻きこまれない外交戦略を注文している。洪完錫(ホンワンソク)韓国スラブユーラシア学会会長は、「韓露首脳会談を通じて、両国の緊張感を緩和させたことは肯定的」としながら、「ただし、今後米中関係で荒波が憂慮され、韓国としては、米国には『韓国を対中包囲戦略の一環として利用するな』と注文し、中国に対しては『韓米同盟を揺さぶるな』と明確にしてこそ、これからサードよりより大きいイシューがさく烈した時、米中の間に巻きこまれる苦しい状況に陥らずに、身動きの幅を広げることができる」と話した。
北朝鮮はこの日、韓中首脳会談直後に弾道ミサイル3発を発射した。4日に発効された北朝鮮人権法も緊張要素になっている。
林乙出(イムウルチュル)慶南大極東問題研究所教授は、「北朝鮮がますます統制できなくなっている状況で、米中はこうした状況について、互いに責任を転嫁するだろう」とし、「韓国は米中間の対立に挟まって北朝鮮にも影響力を及ぼすことができず、中間で大きな被害を受けるだろう」と憂慮した。
(ヨム・ユソプ記者、9月6日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。