キングメーカー
キングメーカーは自分の勢力を持って、権力者を選出する過程に影響力を行使する有力政治家ないし黒幕の実力者を指す。キングメーカーと言えば、一番最初に思い浮かぶ人物は故金鍾泌(JP)自民連総裁だ。1990年の3党合同後、民自党の旧共和党系を率いて92年の大統領選挙では金泳三(YS)候補当選に大きく貢献した。97年の大統領選では金大中(DJ)候補と手を結び、DJP共同政権をつくり出した。忠清圏(忠清南北道、大田市)での影響力がかつてほどでなかった2007年、12年の大統領選挙でも、李明博、朴槿恵両候補は共にJPに助力を求めた。
虚舟金潤煥元民国党代表も欠かせないキングメーカーだ。空っぽの船を意味する彼の雅号(虚舟)に相応(ふさわ)しく、盧泰愚、金泳三両大統領を自分の舟に乗せて大統領選勝利に導いた。1992年の大統領選挙では「YS大勢論」を展開して旧民正党系の支持を牽引(けんいん)し、最後まで心を定められなかった盧泰愚大統領に3回も会ってYSを支持するよう説得した。97年には李会昌氏を新韓国党の大統領候補にすることに成功したが、本選では李候補の敗北を見守らなければならなかった。
優れた策士を政治版図の変化を図るキングメーカーと混同することもある。盧泰愚大統領には、私組織の月桂樹会を率いた朴哲彦元議員がいた。2002年の大統領選挙で盧武鉉大統領は“李光宰・安熙正”に代表される386(60年代に生まれ80年代に学生運動した30代の活動家)参謀陣の支援を受けた。“安哲秀のメント(助言者)”と呼ばれた尹汝雋元環境部長官も優れた知略家と目されている。
金鍾仁前「国民の力」非常対策委員長が近く選対委に合流するようだ。金前委員長はセヌリ党の朴槿恵陣営で国民幸福推進委員長として12年大統領選挙を勝利に導き、16年の総選挙で「共に民主党」非常対策委員会代表兼選対委員長を務めた。よくキングメーカーと呼ばれるが、金前委員長は自身の勢力を持っていないという点で策士に近い。キングメーカーであれ、策士であれ、大統領選が本格化すれば、時代精神を読んで戦略を練ることに長けた人物たちが前面に登場するはずだ。金前委員長の登板が近づいたというニュースに、一部の与党人士は李海瓚前代表が出るべきだと主張している。彼らの知略対決を見守ることだけでも大統領選はいっそう興味津々になるはずだ。
(11月17日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。
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