“醜いコリアン”の日本製品不買運動


韓国紙セゲイルボ

成熟した市民意識持つべき

 「ピピーッ」。日本製品に対する不買運動の雰囲気が最高潮に達していた先月初め、取材で日本の北海道を訪れた記者は入国審査で笛の音を聞かなければならなかった。韓国人観光客数人が立入禁止帯を越えて、入国書類を取りに行ったためだ。すぐに騒ぎは収まったが、恥ずかしさで火照った顔はすぐには冷めなかった。

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日本製品の不買を呼び掛けるソウルの小売店=7月5日(EPA時事)

 3泊4日の取材を終えて帰りにも同じような経験をした。電車で新千歳空港へ向かう途中、ほろ酔い機嫌の中年韓国人4人が同じ車両に乗った。彼らは座るやいなや韓国語で大声を出し始めた。「日本も大したことないな」「メシもまずいし」などと。空港までの30分間、韓国語が分かる日本人がいないことを切に祈った。他の乗客は騒がしさのためか、内容を聞き取ったためかは分からないが、彼らを横目で睨みつけていた。心の中で話をやめさせようかどうか悩んで、3時間のような30分を過ごした。

 日本が7月、対韓輸出を制限した後、日本製品不買運動が燃え上がった。8月にはホワイト国から韓国を除いた。最近、李洛淵国務総理が文在寅大統領の親書を持って日王即位式に参加するなど、韓日間の対話を模索しているが、不買運動は相変わらず現在進行形だ。

 韓国人が不買運動を行うのは日本が正しくないというメッセージを日本と国際社会に知らせようとの目的からだ。具体的には、新日鉄住金の強制徴用被害者に対する韓国大法院の勝訴判決が正当で、これに報復しようと韓国に経済制裁措置をした日本は不当だということだ。

 いくらメッセージが正しくても、伝えるメッセンジャーの水準により時にはメッセージ自体が信頼されない可能性もある。韓国人が公共の場で大声で日本の悪口を叫び、秩序を無視するならどうだろうか。所詮、韓国人の主張は市民意識さえない非常識な人々の屁理屈だと受け止められるだろう。結局こうした“醜いコリアン”の不買運動は日本に経済的打撃を与えても、本来韓国が言いたい内容は伝えられない可能性が大きい。

 韓国に入国すると路上はゴミと唾でいっぱいだった。電車は騒々しく、道路ではクラクションがひっきりなしに鳴っていた。

 韓日は千年以上、顔を突き合わせてきた。過去の歴史、領土など未解決問題で今後も衝突することが多いだろう。日本が韓国に不当な待遇をするたびに、韓国は日本の論理を破るメッセージを日本と国際社会に投げなければならない。

 そうしようとするなら、われわれもまた成熟した市民意識を持たなければならない。それでこそ「韓国が日本を嫌っている」ではなく、「なぜ日本が間違っているのか」というメッセージが正確に伝わるはずだ。

(キム・チョンユン社会部記者、11月2日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

ポイント解説

“醜いコリアン”だからか?

 韓国航空機内でよく体験するのは韓国人たちの傍若無人な振る舞いだ。不愉快な思いをしたくないために、多少割高でも日本の航空機を使う。静かさと落ち着いた雰囲気、品のあるサービスを買うと思えば安いものだ。長時間のフライトでは特にそうだ。不思議なことに、これに同意する韓国人は多く、彼らはマナーがいい。

 キム記者が感じた恥ずかしさは、誰にも共通するものである。韓国人だからではなく、日本人でも同胞の醜態には眉をひそめるし、恥ずかしさを覚える。また、いくら正論でも、語る者の態度が悪ければ伝わらない、というのもあり得ることだ。

 しかし、キム記者の主張は根本的に間違っている。韓国の日本不買運動を世界が理解してくれないのは“アグリーコリアン”だからではない。もし韓国人の誰もが紳士的で落ち着いて自分の主張ができ、誰からも尊敬される存在だとしても、今回の不買運動の理由を理解してくれるとは限らない。なぜなら世界は日本政府の輸出管理見直しを「日本の不当」とは見ていないからだ。不当でもないことに不買で応じている韓国の方が過剰な反応をしていると判断するだろう。

 だから、まず取り組むべきは韓国人の態度改善よりも「信頼回復」の方である。また特別扱い(グループA=旧ホワイト国)が当然という間違った特権意識を捨て、各国並みという不当でもなんでもない普通の待遇を受け入れるべきだ。売らないとは言っていないのだから。「日本の不当を訴える」という間違った鍵では扉は開かない。

(岩崎 哲)