イエメンで政権と南部独立派が共闘


サウジ仲介 フーシ派掃討で合意

 内戦が続くイエメンで、同国のハディ暫定政権と同国南部の分離独立派「南部暫定評議会」(STC)は5日、サウジアラビアが仲介し反政府武装組織フーシ派掃討での共闘などをうたった権力分担協定に調印した。

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5日、サウジアラビアの首都リヤドで会談するムハンマド皇太子(右)とアラブ首長国連邦(UAE)アブダビのムハンマド皇太子(AFP時事)

 双方は、イラン系イスラム教シーア派反政府武装組織フーシ派に対抗するために共闘していたが、今年8月に南部の主要都市アデンをめぐって争い、「内戦の中の内戦」が勃発、三つどもえの様相を呈していた。

 ハディ暫定政権はサウジアラビアを後ろ盾としてきたが、STCにはアラブ首長国連邦(UAE)が支援しており、8月にはSTCがアデンのハディ暫定大統領の宮殿を占拠するなどの衝突が拡大していた。

 危機感を抱いたサウジアラビアは、対フーシ派での結束を強めるために双方の仲介に乗り出し、内輪もめの一掃を計った形だ。

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 今回の協定では、STCから複数の閣僚ポストが割り当てられる新暫定政府を30日以内に組閣することを確認した。

 さらに、STCの軍隊は暫定政府の管理下に置かれ、暫定政権はSTCが占拠していたアデンに戻ることになる。

 仲介を主導したサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、同国の首都リヤドで行われた調印式に立ち会い、その様子はテレビ中継された。今回の協定成立で、三つどもえの戦闘は収まった形だが、内戦が収束に向かうかどうかは未知数だ。

(カイロ 鈴木眞吉)