【上昇気流】欧州のクリスマス・シーズンはクリスマス市で始まる


クリスマス 

 欧州のクリスマス・シーズンはクリスマス市で始まる。市庁舎前の広場にたくさんの出店が並び、クリスマスの飾りなどが売られる。東京の街角での年末の松飾り売りや羽子板市などをはるかに超えた賑(にぎ)わいを見せる。

 欧州でも特にドイツ語圏で盛んだ。フランクフルトで2年ぶりに開かれたクリスマス市の様子を伝える時事電に、英国からやって来た観光客の「雰囲気が良くて楽しめた」との感想が載っていた。

 気流子もちょうど今頃の時期、オーストリアのザルツブルクでクリスマス市を見物したことがある。夜行列車の出発までのしばらくの時間、夕暮れの町を散策したところ、クリスマス市に出くわした。夜なのにたくさんの人出があり、ホットワインが無料で振る舞われ、温かい雰囲気だった。

 出店には、日本では見られないさまざまな種類のクリスマス飾りやお菓子などが電灯に照らされ輝いて見えた。予備知識がなかった分、感動も大きく、ついつい長居をして列車の出発時刻に遅れるところだった。

 オーストリアでは新型コロナウイルスの感染が再拡大しているが、インターネットで調べてみるとザルツブルクのクリスマス市は開かれているようで安心した。

 市はクリスマスまで1カ月間開かれるが、気になるのは新たな変異株のオミクロン株だろう。状況によっては途中で閉鎖もあり得ると店の人たちは覚悟しているようだ。何とか最終日まで感染が抑えられることを祈るばかりだ。