世界を欺いた中国の嘘 河添恵子氏
ノンフィクション作家 河添恵子氏講演
国際問題を専門とするノンフィクション作家の河添(かわそえ)恵子氏は17日、世界日報の読者でつくる「世日クラブ」(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス代表取締役)で講演し、世界は「(豊かになれば)いずれ民主化する」との中国のプロパガンダにだまされたと総括した。
「北朝鮮問題と同床異夢の米中露」のテーマで講演した河添氏は、米英仏によるシリア攻撃を「北朝鮮の前哨戦」と位置付けた上で、「漁夫の利を得るのは中国」との認識を示した。武器輸出を外貨獲得手段としている中国は、どこかで戦争が始まるのは基本的に歓迎だという。北朝鮮とシリアの関係は深く、シリアの武器製造施設には北朝鮮の専門家が派遣されているとも指摘した。
また河添氏は、金王朝はウイグルにも武器を売っており、「日米は100年の敵、中国は1000年の敵」とする北朝鮮と中国が一時的に握手してもうまくいかないと強調した。
さらに、習近平国家主席がロシアを訪問するなど中露蜜月時代と言われているが、ロシアはシベリア・極東問題を危惧していることに言及。中国と国境を接するロシア極東地域の人口は600万人にすぎないが、中国東北部には1億人以上の中国人がおり、極東地域の安全保障を心配せざるを得ないという。
ただ、プーチン大統領の本音は「(極東で)戦争してほしい。無法地帯になれば、ロシアがコントロールできるチャンスがある」とし、現在使っている北朝鮮の羅津港だけでなく、極東のクリミアとして「(韓国の)釜山港を使いたい」と分析した。
講演に先立ち、同クラブの近藤会長は「貿易戦争では中国の知的財産権侵害などが浮上しているが、中国ではだまされるのが悪いという考え方もある。日本人は基本的に疑うことを嫌うところがあり、だまされないように教えないといけない」と警鐘を鳴らした。