同化政策でウイグル抹殺、ムハメット氏が世日クラブで講演


世日クラブ

中国新疆自治区 収容所800カ所、臓器売買も

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良〈ゆずる〉・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が12日、都内で開かれ、日本ウイグル連盟会長のトゥール・ムハメット氏が「今ウイグルで何が起きているのか~中国による弾圧の実態~」と題して講演した。

トゥール・ムハメット氏

世日クラブで講演する日本ウイグル連盟会長トゥール・ムハメット氏=12日、都内で

 ムハメット氏は、1996年に江沢民主席が、20年かけてウイグル民族を中国に同化させる方針を掲げていたが、20年たっても民族のアイデンティティーや歴史認識が変わらなかったと指摘。そのために「昔のプランを変え、もっとウイグル人に厳しくしようと出てきたのが強制収容所だ。ウイグル全土に800カ所あるとされ、学校の先生や社長など影響力のある人々が一斉に逮捕された」と語った。収容所では証拠隠滅のために遺体を焼却処分しており、さらに収容されたウイグル人の臓器を取り出して売買する「臓器ビジネス」も行われていると訴えた。

 また、米紙ニューヨーク・タイムスが公表した中国共産党の内部文書には、ウイグルの子供たちには収容された家族のことを「民族分裂者や宗教極端主義などの影響を受けているので、あなたと家族の幸福のために連れて行った」などと説明するよう記述されていると指摘。

 ムハメット氏は「残された子供たちは殺されるか、中国本土の漢人夫婦の養子になるか、子供用収容所で中国人として教育されるかだ。男の子を殺して女の子だけを教育し、中国人と強制結婚させている可能性もある」と懸念を示した。

 講演に先立ちあいさつした世日クラブの近藤会長は、「中国の覇権主義と人権問題が、アジア最大級の不安定要因になっている。中国には56の民族がいて、それぞれ驚くほど価値観が違っている。自分たちの民族を守るために立ち上がってもらいたい」と述べた。