統一選後半戦の総括 共産が「自力の弱点」強調

「大勝利果たした」と公明

 統一地方選後半戦は区市町村首長・議会議員の選挙で、道府県や政令指定都市の前半戦に比べると地味であるが、公明党や共産党にとっては、特に議会選で自民党よりも公認候補を多く擁立する重点的な選挙だ。

 4月26日投票の後半戦について、共産党機関紙「しんぶん赤旗」は4月28日付で党中央委員会常任幹部会による「いっせい地方選挙後半戦の結果について」などの記事で結果を総括・詳報し、公明党機関紙「公明新聞」は4月29日付で「第18回統一地方選後半戦 市区町村議選の結果分析」を掲載した。

 「赤旗」は「共産党1092議席獲得 区市町村議選 前回比62議席増」の見出しの記事の中で、「議席が前回比増となったのは日本共産党と自民党で、自民党は145議席増。公明党は14議席減、民主党は129議席減となり、後半戦結果でも『自共対決』が鮮明になりました」と書く。

 14議席減の公明党だが、「公明新聞」は「一般市・東京特別区(葛飾区、足立区を除く)・町村議会選挙で、公明党は計1248人(町議選の推薦1人を含む)を擁立、1245人が当選する大勝利を果たした」と豪語した。実際、「前回比」では全員当選でも「議席減」になる選挙であり、政党別では候補者数、当選者数ともトップで勝利に違いない。

 次いで、共産党の1161候補、当選1092人、自民党の1036候補、当選931人の順だが、一番多いのは無所属9977候補の当選7982人だ。「自共対決」とは共産党が批判票の受け皿になろうと売り込む標語であり、後半戦の特徴ではない。

 今回の後半戦689議会の選挙に民主党は413候補、社民党は103候補と前回より衰え、候補を増やした共産党が野党の選択肢に浮上する構図は前半戦と同じだ。ただ、大選挙区制度の区市町村議会選挙では、票の上乗せの得票順位への跳ね返りが大きいのだ。

 ところで、統一地方選で「躍進」の見出しが躍った「赤旗」だが、前述の「後半戦の結果について」の記事で、「最大の問題は、党の自力の弱点という問題です」と訴えている。具体的には「今回のいっせい地方選挙を、前回比で、党費納入党員数で95・0%、『しんぶん赤旗』日刊紙読者数で88・8%、日曜版読者数で86・4%でたたかい」、「議席を持っていたのに後継候補者を擁立できず……議席を後退させた選挙区も少なく」ないと嘆いている。

 4年前の統一選で共産党は惨敗した。その後に出た党内問題が「赤旗」日刊紙500円値上げだ。24万余の部数を値上げして26万部にすればペイするという話だった。昨年の党大会決議によれば日刊紙・日曜版あわせて124万1000部という。ならば今や日刊紙は21万余部、日曜版は100万部も危うい。

 当然、赤字は膨らんでいるはずで、「躍進」でも辛口総括を党がするところ、増えた議員・公設秘書の給料からの“上納金”でも埋め合わせに足りないのかも知れない。

解説室長 窪田 伸雄