中曽根元首相との間の改憲めぐる“秘話”披露


憲法制定大会で安倍前首相ら

「新しい憲法を制定する推進大会」であいさつする安倍晋三前首相=10日午後、東京千代田区の憲政記念館(森啓造撮影)

「新しい憲法を制定する推進大会」であいさつする安倍晋三前首相=10日午後、東京千代田区の憲政記念館(森啓造撮影)

 「中曽根康弘会長を偲び、新しい憲法を制定する推進大会」(主催=新憲法制定議員同盟)が開かれた10日、安倍晋三前首相をはじめ旧知の議員たちは、中曽根元首相との“秘話”を披露して故人を偲んだ。

 安倍氏は、幹事長時代に小泉純一郎元首相の指示で、中曽根氏を衆院選の比例名簿に登載しない旨を伝えた時(事実上の引退勧告)のことを振り返った。橋本龍太郎総裁などが署名した「終身1位を約束する」紙を見せて「この紙をほごにする理由を述べてくれ。私を納得させてくれ」と迫る中曽根氏に、「ぜひお願いします」と頭を下げるしかなかった安倍氏に対し、中曽根氏は「君は幹事長だ。選挙に勝つことが仕事だ。応援する。君はまだ若い。憲法改正に取り組みたまえ」と背中を押してくれたという。

 衛藤征士郎衆院議員は、「よく首相官邸で酒を飲ませてもらった」と明かし、「酔うと必ず『ローレライ』を歌った。何度も聴かせていただいた。そして憲法(の話も聞いた)」と、懐かしんだ。

 元衆院議員で、同議員同盟幹事長の愛知和男氏は初当選の時に「赤坂の料亭でお祝いしていただいた」ことを振り返り、中曽根氏に「一番大事な政治課題は憲法問題だよ。ぜひ真剣に勉強し、取り組んでもらいたい」と言われたことが一番印象に残っていると語った。

 中曽根氏の秘書出身で司会を務めた柳本卓治氏は、中曽根氏の言葉「戦後政治の総決算は憲法改正にあり」を2度繰り返して大会を閉じた。