9条「自衛隊違憲論」限界に、河野前統幕長が改正訴え
前統合幕僚長の河野克俊氏が3日、ユーチューブで生配信された「第23回憲法フォーラム」に出席。「自衛隊に違憲の烙印を押し続けることによって行動を抑制する『自衛隊違憲論』はもう論理破綻をきたしている」とし、憲法改正を訴えた。
河野氏は、「海上保安庁の中の一部局が、分離発展して海上警備隊と海上自衛隊になった。出発点から(自衛隊は)警察の延長線上にある」とし、「ここが各国と違う。軍と警察は全く別。ここが矛盾を抱えている最大の原点だ」と問題点を指摘。
基本的に各国の軍隊は、ネガティブリスト(してはいけないこと)だけが法律に書かれているが、自衛隊法は全てポジティブリスト(しても良いこと)が明記されているとした上で、「今や自衛隊は役割が増え、どんどん法律も増えて、自衛官は非常に困惑している。もう憲法9条も限界に来ている」と改憲の必要性を訴えた。
また河野氏は、中国・海警局の艦艇が領海侵入を繰り返す沖縄県石垣市の尖閣諸島について、「米軍が守ってくれると誤解している国民が多々いるが、自衛隊が前面に立たない限り、絶対米軍は来ない。命を懸けて最前線に立つのは紛れもなく『自衛官』だ」と強調した。
同市の中山義隆市長は、ビデオメッセージを寄せ、「(中国海警局の)船の数は増え、一隻一隻が大型化している。海上保安部も船を増強し、警備をしっかりとしているが、厳しい状況は改善される見通しが立っていない」と危機感を示した。