菅義偉自民党総裁メッセージ要旨 第23回憲法フォーラム
自民党は立党以来、憲法改正を党是としてきた。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という基本理念は今後も揺らぐことはない。一方、現行憲法も制定から70年余り経過し、時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきだ。
今般の新型コロナヘの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっている。緊急時において国民の命と安全を守るため国家や国民がどのような役割を果たし国難を乗り越えていくべきか、そのことをどのように位置づけるかは極めて重く大切な課題だ。しかし現行憲法において緊急時に対応する規定は参議院の緊急集会しか在在しない。
また、自衛隊は国民の多くから感謝され支持されているが、自衛隊を違憲とする声があることも事実だ。
自民党は、憲法審査会で活発な議論を行っていただくため、「自衛隊の明記」「緊急事態対応」 「合区解消・地方公共団体」「教育の充実」の4項目について、憲法改正のたたき台を取りまとめた。一部の野党も改正の具体的な考え方を示し、憲法審査会における建設的な議論を呼びかけている。
しかし国会での議論は進んでいない。国民投票法改正案についても自民党と立憲民主党との間で「何らかの結論を得る」と合意しているが、衆議院の憲法審査会で採決に至っていない。
議論を進める最初の一歩として、まずは国民投票法改正案の成立を目指していかなければならない。その上で憲法審査会において与野党の枠を超えて建設的な議論を重ね、国民の理解を深めていくべきだ。それは国会議員の責任ではないか。
憲法は国の礎。そして憲法改正は国会が発議し最終的には主権者である国民が国民投票で決める。改正の主役は国民の皆様。だから多くの国民が憲法改正について自らの問題として考え、大いに議論し理解を深めていただきたい。