改憲で緊急事態条項急げ


新しい憲法をつくる国民大会 清原会長が講話

 改憲派団体「新しい憲法をつくる国民会議(=自主憲法制定国民会議)」は憲法記念日の3日、都内のホールで無観客で大会を開いた。同団体の清原淳平会長は講話で、政府の新型コロナ対策が後手に回っているという批判に触れ、「第一の原因は日本国憲法に外国のような『緊急事態対処規定』がないことだ」と指摘。緊急事態条項について「憲法に新設することを急いでほしい」と改憲の必要性を訴えた。

第52回新しい憲法をつくる国民大会であいさつする清原淳平会長=3日、都内(加藤玲和撮影)

第52回新しい憲法をつくる国民大会であいさつする清原淳平会長=3日、都内(加藤玲和撮影)

 清原氏は現行の日本国憲法は大陸法系の理論で書かれていると説明し、同じく大陸法系のドイツ憲法を例に、憲法で規定された「基本的人権」は同じ憲法内に根拠となる例外規定がなければ制約できない(「上位法・下位法の原則」)と強調。その上で、菅義偉首相が今年1月、新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し、政府の方針に従わない者に懲役や罰金などの刑事罰を科す方針を示していたことについて、「たいへん驚いた。特措法自体、憲法上の根拠規定なく国民の権利を制約する点で違憲の要素が強い。それをさらに改正して刑事罰を科すのは明らかに違憲だ」との認識を示した。

 大会では例年通り「憲法改正川柳コンクール」の入選句が発表された。今年は全国から約3100句の応募があり、216句が入選。さらにその中から大賞の『「国破れ 山河あり」とは ならぬよう!』を含む7句の優秀句が壇上に掲示された。

 大会の内容は後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開される。清原氏は憲法の全条文を解説、問題点を指摘する著書『国民のための憲法改正学への勧め』(善本社)を近く出版する予定だ。