パルコ開業でSC2強時代に
沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)
沖縄県で大型ショッピングセンター(SC)の競争が激化している。沖縄大手スーパーのサンエーとパルコが共同出資会社、サンエーパルコを設立。6月27日に、店舗面積約6万平方㍍の大型商業施設「サンエー浦添西海岸 PARCO CITY」を開業した。
店舗数は250で県内最大。そのうち、海外アパレルブランド「GUESS」やベビー用品の「アカチャンホンポ」など94店が県内初出店となった。
訪沖外国人数も伸び、個人消費の好調が続く。特徴は何と言っても立地の良さだ。那覇空港から車で約15分。昨年開通したばかりの西海岸道路はエメラルドグリーンの海を見ながらドライブできる。沖縄の人口は全国で唯一、自然増である。しかし、県内の消費は限られており、消費全体の売上高の大半をインバウンドで賄いたい考えだ。
サンエーパルコの開業で、他の競合SCへの影響が心配されていたが、県内で店舗展開するイオンや豊見城市のアウトレットモール「あしびなー」などは独自のセールを開催。中でも、沖縄本島中部の北中城村に2015年オープンした「イオンモール沖縄ライカム」は、セールの影響で通常よりも混雑している様子だった。
沖縄のスーパー業界はサンエーとイオンによる2強になったと言っていい。イオンモールは今年4月、サンエーパルコの開業に先立って店舗面積を約8千平方㍍増やし、延べ床面積は約8万6千平方㍍になった。延べ床面積での「県内最大」の面目は保った。店舗数は改装前より10店多い240店。サンエーパルコに及ばないが、買い物客の幅広いニーズに応えて、ファストファッションや生活雑貨・家具、ペットの店舗を増床エリアにそろえた。今後も両SCが激しい主導権争いを展開することが予想される。
(T)