「ガーデンフェスタ北海道」1年前イベント開催
花と緑の街として知られる北海道恵庭市で来年6月から1カ月にわたって「ガーデンフェスタ北海道2022」が開催される。それに先駆け、今年6月21日に同市内で開催1年前のイベントが開かれた。全国規模の催しだけに開催地の恵庭市は準備に余念がない。この日は同市の原田裕市長(実行委員会副会長)の会見の他に市内の小学生がデザインした、かぶりものキャラクター「キュンちゃん」が披露された。(札幌支局・湯朝 肇)
小学生デザインのキャラクター「キュンちゃん」を披露
「実際にかぶりものを着けたキュンちゃんを見て、私がデザインした以上の出来栄えになっていると思いました。このキュンちゃんが活躍する姿を見て恵庭市の街の良さを知ってほしい」――こう答えるのは、恵庭市立恵み野旭小学校6年生の室玲妃さん。来年6月25日から7月24日まで1カ月にわたって開催されるガーデンフェスタ北海道2022のイメージキャラクターである「キュンちゃん」オリジナルデザインの最優秀賞に室さんの作品が選ばれ、6月21日に恵庭市で開かれた開催1年前イベントで表彰を受け、喜びを語った。
恵庭市は来年開催の同フェスタに合わせて今年2月18日に北海道内の小中学生を対象に「花と緑」をテーマにした「キュンちゃん」のオリジナルデザインを募集。「キュンちゃん」とは北海道観光振興機構が主催する北海道観光PRキャラクター。絵本作家そらさんが書き起こしたエゾナキウサギのキュンちゃんに各地のご当地名物をデザインしたかぶりものを頭にかぶらせて地域の観光をPRしようというもの。
今回のオリジナルデザインの募集はガーデンフェスタ・バージョンのキャラクターとなり、462点の応募があったという。審査員の一人にもなっていた絵本作家・そらさんは、「室さんの作品は花々の配色と配置が美しく、頭の上に恵庭市の花であるスズランがあったのが決め手でした」とビデオメッセージを寄せた。
市民主導で花と緑の街づくり、集大成の祭典を機にPR
ガーデンフェスタ北海道2022の正式名称は第39回全国都市緑化北海道フェアという。同フェアは都道府県持ち回りで毎年催される、全国規模のイベント。今回の会場は恵庭市が花の拠点としている広場「はなふる」を中心に近隣の観光施設や都市公園などが連携して行われる。公益財団法人都市緑化機構と北海道、恵庭市が実行委員会(会長は鈴木直道・道知事)をつくり準備を進めている。
開催1年前のイベントで記者会見した恵庭市の原田市長は、「北海道ではこれまで昭和61年に札幌で開催され、今回は2回目。恵庭市は60年も前から花の街として市民主導で花と緑の街づくりを進めてきた。今回の誘致はそうした市民の努力が認められたのだと思う。来年に向けて市民によるサポーターズクラブの協力を受けながら大会を盛り上げていきたい」と意欲を燃やす。
恵庭市はこれまでに70以上あるサポーターズクラブからそれぞれ来年のガーデンフェスタへの出し物について提案を受けているが、開催まで12ほどに絞って企画を進めていくという。
また、若者の参加を積極的に促すため、市内の保育園・幼稚園から小中学校・高校に働き掛けている。「幼稚園や保育園については、会場に設けた区画に泥で固めた種を園児たちに植えてもらったり、小中学生に関しては絵画や作文コンクール、高校生にはボランティアなどで参加してもらうことなどを考えています」(牧野幹芳・北海道フェア推進室室長)と言う。
「今回のガーデンフェスタはこれまで花の街づくりに取り組んできた市民の集大成のようなもの。新型コロナの問題もあるが、何とか乗り越えてフェアを成功させ、終わった後も恵庭市民が自信と誇りを持って街づくりができるようなものにしていきたい」(原田市長)と成功に期待をかける。