世界一幸福度が高い日本の女性

動物行動学者の竹内久美子氏が講演

 日本の女性は差別され、幸せではないのか。動物行動学者でエッセイストの竹内久美子氏はこのほど、沖縄県で講演し、女性の人権を主張するリベラリズムの主張を覆すデータを示しながら、日本人の女性は世界一幸せだと指摘。伝統的な日本の家庭のあり方を変える理由はないと強調した。(沖縄支局・豊田 剛)


フェミニストらの批判は当たらず

世界一幸福度が高い日本の女性

動物の行動を例に挙げ、男女関係について説明する講演会の様子=2月22日、沖縄県浦添市

 男女の社会的境遇格差を表す有名な指標に世界男女格差指数(グローバル・ジェンダー・ギャップ指数)がある。「世界経済フォーラム」が2006年から毎年発表している。これによると、日本は2019年度のランキングで世界153カ国中121位。昨年の110位から11ランク順位を下げ、過去最低の順位となった。主要先進国の中で最低で、健康と教育では男女がほぼ平等だが、経済と政治の分野では特に差が大きい結果になった。

 「これには仕掛けがある」。「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」(我那覇真子代表理事)主催の講演会で、動物行動学が専門の竹内久美子氏が訴えた。日本の国会議員に女性が占める割合は10%程度で他の先進国より少ないことを理由にフェミニストやリベラル主義者が批判する。これについて、「北欧の国々は自然に女性の比率が高いのではなく、『クオーター制度』(議員や閣僚におけるの女性の割合を一定数に定める制度)という取り決めがあるからだ」と指摘した。

 一方、日本人女性の幸福度は高い。「世界幸福度調査」によると、男性よりも女性の方が幸福度が高く、その男女差は世界一だ。政治や社会で活躍する機会は女性よりも男性が多いにもかかわらず、幸せを感じる割合は男性の方が圧倒的に低い。

 竹内氏は、「これほど女性が財布のひもを握る国はない。素晴らしい国であると言うことができる」と誇り、世界の指標に惑わされる必要はない」と断言した。

 「妻が子育てや家事をすること、地味なことではあるが、家庭の実権を握ることになる。自分に都合のいいように思いのままに子供を育てることができることから、女性にとっては専業主婦が理想的だ」と指摘した。

 竹内氏は、ツバメ、ルリオーストラリアムシクイなどを例に挙げ、「鳥や動物の世界では雌が主導権を握っている」と説明。「動物の世界を見ても雌が圧倒的に支配しているように、この世は女性が動かしていて、どの家庭でも女性が実権を握っている」と指摘した。「(日本人は)フェミニズムに傾倒する理由などない。フェミニストの人々は女性が虐げられているという仮定のもとの理論の中で生きている」と批判した。

同性愛者への“特別扱い”は不要

世界一幸福度が高い日本の女性

我那覇真子氏(左)の質問に答える竹内久美子氏=2月22日、沖縄県浦添市

 講演会では、同性愛や性的マイノリティー(LGBT)についての認識を尋ねる質問が相次いだ。

 これについて竹内氏は「あらゆる動物にも同性愛は存在する」「時代、文化を問わず男性の同性愛者は4%、女性は2%いる」のであり、「生物学的観点から特別扱いする必要はない」という考えだ。

 我那覇真子氏がリベラル派が幼児をターゲットに人権教育と称して読み聞かせの中でLGBTを教えている保育園があることについて尋ねると、「無理難題を押し付けられ、子供たちは混乱する。こうした教育は良くない」と述べた。