防災教育と国防意識
12月8日、一般財団法人防災検定協会主催(内閣府後援)の第1回ジュニア防災検定が東京、大阪で実施された。ジュニアという言葉の通り、検定には小学生、中学生が挑戦した。
この検定は、漢字検定、英語検定のような記憶力や暗記力を問うのではなく、災害時の判断能力や自分の生命(いのち)を守るための術を問うもので、防災教育の一つのツールとしても活用できる内容となっている。
現在、教育の現場でも防災教育は行われている。東日本大震災では、「釜石の奇跡」として有名になった防災教育の成功事例もあるが、防災教育に対する取り組み方には、学校や自治体によって温度差がある。この温度差を埋めるためにもジュニア防災検定は有効だろう。
私はジュニア防災検定の立ち上げに関わり、今年5月から全国の自治体首長や教育委員会、各種学校を訪ね、ジュニア防災検定の導入も含め、防災教育についての意見交換を重ねてきた。
今年は年度の途中から検定の募集を開始したため、受検者数は個人、団体受検を合わせて約2500人程度にとどまっている。来年4月からはジュニア防災検定の予算を計上している自治体、年間行事の一つに組み入れる学校も多数あり、北海道から九州まで、日本全国で検定が開催される予定だ。
防衛に批判的な左翼的な人間や、日教組の教師でも、防災教育・防災対策には反対できない。しかし、防衛と防災は基本的には同じである。
なぜなら今後予想される首都直下や南海トラフ巨大地震のような場合は、戦争と同じく国家レベルの対応が伴うからだ。
子供たちに、自分の生命を守る→家族を守る→地域を守る→市区町村を守る→都道府県を守る→国土を守る→国境を守る、という一連の流れで防災教育をしていくことができれば、国を守るという意味が理解できるようになるはずである。
日本の国民防災力(民間防衛)を強化する上でも、子供たちに対する防災教育の重要性は一段と増していると思う。
(濱口和久)