57回目の遠洋航海

 先週、世界一周の遠洋航海を終え、10月30日、無事に日本に帰国した防衛大学校の後輩(3等海尉)と会って、酒食をともにした。

 昭和32年以降、毎年、遠洋航海は実施されており、今年で57回目となる。

 海上自衛隊の遠洋航海は、広島県江田島にある幹部候補生学校(旧海軍兵学校)の一般幹部候補生課程を卒業した実習幹部「3等海尉」に外洋航海を通じて、学校等において修得した知識・技能を実地に修得させ、幹部自衛官として必要な資質を育成するために実施されている。諸外国を訪問することにより、国際感覚を身に付けさせ、合わせて各国との友好親善の増進にも寄与することを目的としている。

 今年の遠洋航海は、太平洋を横断してパナマ運河を通過後、アメリカ、カナダから大西洋を渡って欧州各国を巡り、アラビア海、インド洋を経て帰国した(総航程・約5万5000㌔㍍)。

 訪問国(寄港順)は以下の通り。

 アメリカ(パールハーバー)、メキシコ(マンサニージョ)、パナマ(パナマシティー)、アメリカ(ニューポート)、カナダ(ハリファックス)、イギリス(ポーツマス)、フィンランド(ヘルシンキ)、ロシア(サンクトペテルブルク)、ポーランド(グディニア)、ドイツ(キール)、フランス(ブレスト)、スペイン(バルセロナ)、イタリア(ターラント)、クロアチア(スプリト)、ジブチ(ジブチ)、スリランカ(コロンボ)、ミャンマー(ヤンゴン)、カンボジア(シハヌークビル)、ベトナム(ダナン)。

 ポーランド、フィンランド、クロアチア、ミャンマーの4カ国は海自艦隊としては初の訪問となった。

 また今回、グディニア港を出港後に、ポーランド海軍との親善訓練なども実施されている。

 私は陸上自衛隊出身であり、海のことはあまり詳しくないが、寄港地での歓迎や、艦内での生活などを聞くと、一冊の本が書けるぐらい盛りだくさんの体験をしてきた後輩が羨ましい限りだ。

(濱口和久)