朝日が陸自の「刀」を批判

 朝日新聞(9月7日付)社会面の記事「陸自エンブレムに日本刀 なぜ?」には呆れてしまった。朝日らしいと言えばそれまでだが、この記事には自衛隊に対する悪意さえ感じてしまう。

 記事は、陸上自衛隊が記念品などに使うために作ったエンブレムが物議を醸しているという。日本刀をあしらったデザインで「日本人らしい強さ」を表したというが、陸自の装備に日本刀はない。かつての日本軍を思い起こさせるとして、「アジア諸国への配慮が足りないのでは」との見方もあるとしている。

これに対して陸幕広報室は、「古くから武人の象徴とされてきたことから選んだ。外国の陸軍のエンブレムにも銃や銃剣を使う例は多い。陸自では日本人らしさを示す観点から刀が適切だと考えた」と回答した。

 私は陸幕広報室の回答に何の違和感もない。普通の感覚を持った日本人であれば、私と同じだと思う。

 だが記事は、埼玉県ときがわ町の市民団体代表世話人、篠原陽子さん(66)の署名活動を取り上げる。篠原さんは「国内のみならず海外でも大きな反発を引き起こす」と主張し、6月からエンブレム使用の撤回を求め、署名サイト「Change.org」で署名集めを開始。記事は、約3週間で2万2000人以上の署名が集まったと紹介したうえで、篠原さんの「軍刀は帝国日本軍の略奪や脅迫を思い起こさせるシンボル。自衛隊のエンブレムにふさわしいとは思えない」とのコメントを掲載した。

 民主党政権時に、観光庁の事業に用いるエンブレムの監修に関わった劇作家、平田オリザさんの「アジアの人がどう考えるかといった調査をしたのだろうか」とのコメントも掲載されているが、呆れすぎて開いた口が塞がらない。平田さんは「観光庁のエンブレムについては事前に、日の丸入りのデザインへの反応を探るため、在外公館を通じて中国や韓国の反応を探った」という。

 結局、何かにつけ、自衛隊にケチを付けたいとしか思えない記事だと思う。朝日の空騒ぎそのものだと思うのだが、如何に。

(濱口和久)