暴言が飛ぶ抗議集会
政府は安全保障関連法案(以下・安保法案)を9月17日にも参議院で可決、成立を目指している。中谷元防衛大臣の答弁の曖昧(あいまい)さにも問題はあったが、安保法案に対する与野党の議論は、最初から最後まで噛み合っていない。
民主党をはじめとする野党は「自衛隊を危険にさらす法案である」「日本が戦争に巻き込まれる」「憲法違反である」「戦争法案」「徴兵制の復活に繋(つな)がる」として、今国会での安保法案の成立阻止、廃案を目指している。国会の外でも連日、安保法案を「戦争法案」だとして、若者や反対派に影響を受けた親子連れが、デモや集会に連日参加している。
これら国会内外での一連の光景を見ると、「安倍晋三政権打倒」のために安保法案に反対しているとしか思えない発言や行動をする人たちが多い。安保法案に反対する人たちは、日本の安全を脅かす中国の覇権主義には抗議をしない人たちばかりだ。
特に民主党は、約3年半の政権を担った経験がありながら、日本の安全保障環境に対する認識が乏しすぎる。民主党に政権を担う資格はない。
評論家・石平氏の産経新聞への寄稿文(9月2日付)によると、8月30日の国会義議事堂前での安保法案抗議集会で、法政大学教授の山口二郎氏は安倍首相に対して「お前は人間じゃない」との暴言を吐き、アニメ映画監督の宮崎駿氏は安倍首相のことを「愚劣」と罵倒(ばとう)。また、日本学術会議前会長で専修大学教授の広渡清吾氏は7月末に安倍首相のことについて「バカか嘘(うそ)つきか」と二者択一の手法でののしり、学生団体「SEALDs(シールズ)」の中核メンバーの奥田愛基氏に至っては、8月の労働組合「連合」主催の集会で「バカか、お前は」と罵声を安倍首相に堂々と浴びせた、という。
一国の首相になら、どんな暴言を吐いても許されるのか。
山口氏や広渡氏は、自身が教鞭(きょうべん)をとる大学で、学生に対して同じような言葉を吐いたら、言葉による暴力(パワハラ)を受けたとして、学生から訴えられると思うのだが、両氏の見解をうかがいたいものだ。
(濱口和久)





