首都に戻りつつある街の活気ー米国から
地球だより
米国では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、感染者が減少するにつれ、社会活動の再開に動いている。
首都ワシントン周辺エリアで、朝夕のラッシュアワー時の車の交通量も増えてきて、渋滞も起きるようになった。ワシントン市内の中心部は、観光名所の美術館や博物館が次々に再開し、ワシントン記念塔も最近、一般公開が再開された。コロナ対策のロックダウン(都市封鎖)により一時はゴーストタウンのようになった同市内だが、活気を取り戻しつつある。
テレワークを行ってきたオフィスワーカーたちの対面での職場復帰も進められている。ただ、従業員がオフィスにいる日数を減らすなど、オフィス勤務と在宅勤務を組み合わせた「ハイブリッド型」を取り入れる動きが進むと予想される。
最近の調査では、約80%の連邦職員が在宅勤務により、むしろ生産性が上がったと回答。多くの人たちが、在宅勤務の効果を自覚しているようだ。
知り合いの会計士の女性は、会社から9月からワシントン市内のオフィスに戻るか選択できると言われたが、在宅勤務を続けることを選んだ。仕事内容が自宅でも問題なくできるものなので、あえて通勤する必要はないという。
一方で今後、大きな経済的苦境に直面する可能性があるのが、地下鉄ワシントンメトロだ。在宅勤務をする人が増えたことなどにより、乗客者数が年末までに新型コロナ感染拡大前の約42%までしか回復しないとの見通しも出ている。
働き方に柔軟性が増すのは好ましい傾向だとは思うが、今後、首都ワシントンの街の活気がどこまで以前のように戻るかも気になるところだ。
(Y)