「新朝鮮策略」の核心は韓米同盟
パートナーに必須の3条件
韓半島平和と韓米同盟は韓国にとって“酸素”も同じだ。酸素がなくなるまでは、誰もその価値に気付かないように、韓半島の平和や韓米同盟が破られるまでは当然だと思いやすい。
19世紀末、朝鮮が列強の侵略に直面した時、清朝の外交官・黄遵憲が『朝鮮策略』で朝鮮の生存のためには清国と親しくし(親清)、日本と結託し(結日)、米国と連合して(連米)、ロシアを牽制(けんせい)すべき(防俄)という入れ知恵したことがある。
当時、朝鮮は列強の間で固い同盟関係を確保できないまま、右往左往し、列強の馬蹄(ばてい)に踏みにじられ、結局36年間、日本に国を奪われる屈辱を味わった。当時、朝鮮は無力だったし、韓半島に平和という酸素を供給する酸素呼吸器もなかった。
1953年11月、韓米相互防衛条約を締結して以来、韓米同盟は韓半島平和のための酸素呼吸器の役割をしてきている。21世紀韓半島平和のための「新朝鮮策略」の核心はまさに韓米同盟にある。
なぜ韓国の同盟パートナーが中国や日本でなく米国だったか。同盟の必須考慮条件3種類にその解答がある。
まず、同盟パートナーは隣接国ではないほど有利だ。世界外交史で数多く見るように、隣接国家と同盟を結ぶ場合、いつかは領土紛争に巻き込まれる素地が多い。今でも韓国は隣りの強大国と領土紛争から自由でない。
二つ目、できるだけ韓半島から遠く離れている国家と同盟を結ぶものの、その国家が韓国を自国の戦略的要衝地と感じなければならない。有事の際、自国の国益を保護するために同盟公約を履行する意思がある国でなければならない。
三つ目、遠く離れていながら、韓半島安保のために強大な軍事力を緊急に動員できる国でなければならない。
現在、この3種類の条件を全部充足させる国は米国しかない。60年間余り、韓米同盟があったからこそ、韓半島が周辺強大国から踏みにじられることはなかった。
今年は韓国動乱休戦64年目なる。幸いにも戦争は再発していない。国民の大部分が戦後世代となり、韓半島の平和が当然のことのようになり、心配である。
(金宇相(キムウサン)延世大教授・元駐豪州大使、6月5日付)
※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。