【韓国紙】委員会共和国


韓国紙セゲイルボ・コラム「説往説来」

青瓦台

 昨年6月末基準で大統領府や国務総理室、政府部処(省庁に相当)に設置された委員会が全部で622ある。歴代最多だ。金大中政権の時は383、李明博政権は505、朴槿恵政権は 554だった。

 「参与政府を委員会共和国と言ってもいい。仕事さえできればそれまでだ」と言い張った盧武鉉元大統領( 573委員会)の時よりも多い。地方自治団体傘下の委員会まで計算すれば2万8000を上回る。1委員会当たりの委員数を10人と見積もっても、自治体全体の公務員数(29万人)に匹敵するわけだ。

 政府の各種委員会は民間の専門家と利害当事者たちを参加させ、社会的な大妥協を土台にして政府の意思決定を引き出すために作られた。問題は雨後の筍のように生まれた委員会が本来の機能を果たせていないことだ。名前だけ掲げた“休眠委員会”も数知れない。1年に1回も会議を開かない中央政府の委員会が70にもなり、たった1回だけ会議を開催したものも69だった。

 数えられないほど多くの自治体の委員会では、どんなことが起こっているのかさえ分かりにくい。政権の嗜好にあった人々に地位を提供する用途として委員会を活用することが問題だ。

 政府が委員会に政策決定の責任を転嫁したり、予(あらかじ)め定めた政策方向に向かわせるための道具として使ったりもする。

 国務総理室傘下の金海新空港検証委員会は、金海新空港を白紙化すると共に、民主党が主張する“加徳島新空港”建設の名分を提供した。“2050炭素中立委員会”もまた、現政権の核心政策である脱原発と再生エネルギー拡大政策を合理化する手段となった。“新古里(原発)5・6号機公論化委員会”は脱原発の世論形成用に利用されたりもした。

 文在寅大統領は就任後の業務指示第1号が「職業委員会」の設立だった以上、委員会を通じた懸案解決を好んでいた。その後、「コロナ日常回復支援会」など、各種委員会を多く作ったが、政策的な成果は落第点を免れられなかった。

 大統領引き継ぎ委員会が一昨日、中央政府は自治体に乱立している委員会の数を大幅に減らすという方針を明らかにした。望ましい方向だ。昨年、全行政機関の委員会の予算だけでも373億7400万ウォンだ。血税を浪費する委員会の整備と小さな政府づくりは重大な国政課題だ。

 (3月30日付)

※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。