【韓国紙】大統領選挙後19日ぶりの文・尹会合は“半分成功”
文在寅大統領と尹錫悦次期大統領が28日、大統領府の常春斎で最初の晩餐(ばんさん)会合を行った。大統領選挙後19日ぶりで、歴代現職大統領と次期大統領の初会合としては最も遅い会合だが、まだ幸いである。両人の会合は2時間51分行われた。3時間近い歴代最も長い時間の会合だ。尹氏側の張濟元秘書室長はブリーフィングで「和気あいあいとした雰囲気の中で胸襟を開いて話を交わした」と伝えた。これまで新旧権力間の力比べを緊張して不安そうに見守っていた国民は初めて一息つくことができるようになった。
双方は最も尖鋭な争点だった大統領執務室の移転問題に関して接点を見いだしたように見える。昨日の会合の最も大きい成果として挙げることができる。張室長はブリーフィングで「自然に大統領執務室の龍山移転の話が出た」として、「文大統領は『執務室移転地域に対する判断は次期政府の役割だと考え、今の政府は正確な移転計画にともなう予算を綿密に調べて協力する』と話した」と表明した。張室長は「執務室移転予算のための予備費を閣議に上程するかどうか議論したか」という質問に、「そのような手続き的で具体的な話はしなかった」とし、「私が感じるには、極めて実務的に時期とか移転内容とかいったものを互いに共有して、大統領が協力するという言葉で理解した」と明らかにした。執務室の龍山移転に否定的だった文大統領が遅くなったものの柔軟な姿勢を見せたという点で幸いだ。
尹次期大統領もまた、文大統領の人事権行使と李明博元大統領の赦免など政治的に敏感な事項は取り上げず、文大統領に配慮した。二人は新型コロナによる損失補償のための補正予算編成の必要性と安保の遺漏なき政権引き継ぎで共感した。しかし補正予算の編成と人事権行使問題などについて具体的な協議は実務ラインに任せ、政治的な負担を減らすため対立の解消に力を入れたとの指摘も出ている。張室長によると、文大統領は「政党間の競争はできても、大統領間の成功祈願は人情の常だ」と話した。これに尹氏は「国政は蓄積の産物」とし「いい政策は継承し、不十分な政策は改善していく」と応じた。
文大統領の民主党と尹次期大統領の国民の力は大統領選挙で、“協治”について幾度となく誓った。協力なくして与野党どちらも成功できない。昨日の会合が新旧政権間の協治の出発点になることを期待する。
(3月29日付)