「日本ではスパイ合法」スパイ防止法制定を訴え・東京
中国などへの情報流出を阻止するため、スパイ防止法の早期制定を求める集会(主催・英霊の名誉を守り顕彰する会)が10日、東京都千代田区の星陵会館で開かれた。4人の講師が登壇し、スパイ活動に対し脆弱な日本の状況やスパイ防止法の必要性を呼び掛けた。
「日本ではスパイが合法となっている」。そう嘆くのはITビジネスアナリストの深田萌絵さん。日本には情報管理に関する法律がいくつか制定されているが、いずれも「取り締まれる範囲が狭い」と指摘する。スパイ行為そのものが法的に禁止されていない状態について「『殺人』は合法なまま、銃やナイフだけ規制しているようなもの」と批判。この問題の解決を日米両政府に呼び掛けているという深田さんは、「根こそぎ中国のスパイを取り除くのが私の使命だ」と強調した。
坂東忠信・元警視庁通訳捜査官は工作員でない一般の中国人が日本で自主的にハニートラップなどの工作を行う事例があるとし、「(工作内容を)アルバイト感覚で共産党に売れば人脈ができ、帰国後も中国で仕事をもらえたりする」と説明。その上で、「今日本にいる留学生28万人のうち、12万5000人は中国人。これが組織的に動かしやすく、大学ごとにも指揮命令系統が整っている」と危機感を示した。
このほか、中華覇権主義の拡張を許さない会の上薗益雄会長は、日本各地にあるスパイ活動のアジトや武器搬入ルートと思われる場所を挙げ、「放置すれば、30年後はチベット、ウイグルと同じ状態になるだろう」と訴えた。
外交評論家の加瀬英明氏は、「日本に誇りを取り戻すことがスパイ防止法制定につながる。一日も早く、私たちの国日本を立て直し、その後、憲法改正に結束して取り組もう」と語った。