「民の竈」は賑わっているか?
髙橋 正 2020/5/25 コラム|写真|髙橋利行の政界の風を読む [会員向け]
求められる二兎を追う責務
永遠のマドンナ原節子や、枯れた芸で観客を魅了した笠智衆らを重用し、独自な映画世界を創り上げた小津安二郎を知らない人はいまい。日本が世界に誇る映画監督である。その小津安二郎に「大学は出たけれど」というサイレント映画(1929年公開)がある。「昭和恐慌」(1930~32年頃)直前の不況に直撃され、今でいう「就職氷河期」に翻弄(ほんろう)される学生たちの懊悩(おうのう)をコミカルに描いた作品である。
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