米保守派 トランプ氏の対中強硬姿勢評価


政権は香港デモ支持を

 米保守派活動家らが、香港の民主化デモへの関与を強めている。米国の保守系団体「全米保守連合(ACU)」は、米中貿易戦争に対するトランプ大統領の強硬姿勢が民主化デモを後押ししていると主張、中国が武力による弾圧の構えを見せていることを強く非難するよう米政権に求めた。

 ACU理事で中国専門家のゴードン・チャン氏はワシントン・タイムズとのインタビューで、「ホワイトハウスはもっと強い姿勢を示すべきだ」と主張、民主化デモへの支持を「公式に表明」するようトランプ氏に要求した。

 ACUのマット・シュラップ議長、ダニエル・シュナイダー事務局長は、トランプ氏が過去の大統領と異なり、中国の人権侵害や不公正な貿易慣行に対し強い姿勢で臨んでいることを評価、「香港情勢は、中国政府に破滅的な影響を及ぼし得る」と指摘し、米国が民主化支援へいっそう明確な態度を取ることが重要との見方を示した。

 3氏は今月初め、抗議行動への連帯を示すために香港を訪問し、民主化運動指導者らと会見したばかり。

 4日に香港メディア界の大物で、民主化運動を支持する黎智英氏の自宅を訪ねたが、その直後に、黎氏自宅に火炎瓶が投げ込まれる事件が発生した。現地の報道によると、負傷者は出ておらず、門に火炎瓶を投げる2人組が目撃されている。

 シュナイダー氏は、「中国政府が、ジャーナリストと見せ掛けてスパイを送り込んでいることは間違いない。黎氏自宅の外で訪問者らの写真を撮っていた。誰が実行したのかは分からないが、われわれが出た3時間後に火炎瓶が投げ込まれた」と述べ、中国政府の関与の可能性を示唆した。

 ACUは、ワシントンで毎年「保守政治行動会議(CPAC)」を開催、国外でも活発に活動している。チャン氏は、今月初めに東京で開催された集会「J―CPAC」で基調演説を行うために東京に向かおうとしたところ、香港当局に拘束された。

 シュナイダー氏は、トランプ氏が中国との貿易交渉が、国家安全保障をめぐる戦いであることを認めた初めての米大統領と指摘、「香港は、民主と自由の戦いの前線であり、香港の自治を封じ込めようとしている体制が、民主主義とその概念をも攻撃している」と香港民主化運動への支持拡大を求めた。

(ワシントン・タイムズ特約)