米大統領、早期の訪朝を否定
「まだ道のり長い」
トランプ米大統領は16日、ホワイトハウスで記者団に北朝鮮を訪問する可能性について「われわれは用意ができているとは思わない」と述べ、早期の訪問を否定した。金正恩朝鮮労働党委員長が8月にトランプ氏に書簡を送り、平壌で米朝首脳会談を開催することを要請したとする韓国メディアの報道については、「コメントしたくない」と述べ、否定も肯定もしなかった。
トランプ氏は非核化協議が進展していないことを念頭に「まだ道のりは長い」と指摘し、近く北朝鮮を訪問する可能性は「おそらくない」と述べた。一方、「将来のある時点ではそうしたい」とも述べ、条件が整えば訪朝する意向も示した。将来的な正恩氏の訪米については「金委員長もきっと米国に来たがるだろう」と述べた。
一方、北朝鮮外務省は16日に出した談話で、非核化をめぐる米朝の実務者協議が「数週間以内」に開かれる可能性があると発表した。実務者協議は、6月末の3回目の米朝首脳会談で、膠着(こうちゃく)した非核化交渉の再開で合意したが、段階的な非核化を求める北朝鮮と全面的な非核化を求める米国との間で溝が埋まらず、依然として開催されていない。
トランプ氏が強硬派のボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)を更迭した後、年内の米朝首脳会談に意欲を示している。ボルトン氏が政権を去ったことで、北朝鮮との非核化交渉に変化が生じるかが注目されている。
(ワシントン 山崎洋介)