米陸軍、極超音速兵器を5年以内に配備


中露に対抗

 米陸軍の緊急能力開発・基幹技術室の室長、ニール・サーグッド中将は、ロシア、中国に対抗するための極超音速ミサイルを5年以内に実戦配備する計画であることを明らかにした。緊急能力開発室は、地球上のいかなる場所も1時間以内に攻撃可能な兵器の開発を進めている。

 サーグッド氏によると、ミサイルは車両に搭載した移動式発射台(TEL)から発射され、今夏までに試作品を製作する軍需企業を選定する準備を進めている。

 陸軍は極超音速兵器の開発とともにサイバー、電子戦、情報戦などの重要分野にも注力しており、太平洋と東欧でロシアと中国の影響力を抑制することを目指している。

 ロシア軍は昨年5月、極超音速ミサイル「キンジャール」の配備を発表、中国は昨年、極超音速ミサイル「東風17」の試験発射を成功させている。

 米国の極超音速兵器としては、国防高等研究計画局(DARPA)が2011年にHVT2ファルコン、10年に空軍がX51ウェーブライダーの開発を進めていたが、どちらも開発の初期段階で中止されている。

(ワシントン・タイムズ特約)