中露が核戦力を強化、米国防情報局長官が警告


 アシュレー米国防情報局(DIA)長官は29日、ワシントンで講演し、中国が今後10年間で核弾頭の数を倍増させる可能性があり、ロシアも低出力核の実験で核実験全面禁止条約(CTBT)に抵触している可能性があるなど、中露が核戦力強化を進めていると警告した。

 アシュレー氏は、ロシアが現在保有している非戦略核の能力向上を進めており、「紛争時に北大西洋条約機構(NATO)、中国に勝つための中・短距離ミサイル」を強化していると指摘した。

 また「ロシアは既に数十の(非戦略核)システムを稼働または開発中とみている」とした上で、米国には「B61重力爆弾」しかなく、戦術核戦力で中露に後れを取っていると主張した。

 アシュレー氏は「ロシアは核実験凍結を順守していないとみている」と述べ、CTBTに抵触して低出力の核実験を行っている可能性を示唆した。

 中国については、近年、弾道ミサイルの試験発射を増加させていると指摘、保有する核弾頭は米露の1万3000発に対し、250発にすぎないが、2019年までに「少なくとも倍増」するとの見方を明らかにした。

(ワシントン・タイムズ特約)