民間による国境壁建設 米ニューメキシコ州


市の命令で工事停止

 米ニューメキシコ州のメキシコ国境沿いで民間による壁建設が進められている。トランプ大統領の壁建設の主張に刺激を受けたもので、資金はインターネットを通じてクラウドファンディングで調達、大部分が完成したとされているが、28日、地元市当局から工事の停止を命じられた。

 壁は、国境のリングランデ川からクリストレイ山にかけて、民間が所有する土地に約800㍍にわたって建設されている。24日に工事が始まり、資金調達を行った非営利団体「ウィー・ビルド・ザ・ウォール(われわれは壁を建設する)」によると、民間による壁建設は、トランプ氏による壁をめぐる議論が噴出してから初めてで、すでに80%が完成している。

 建設地サンランドパークのペレラ市長は、壁の高さが6㍍あり、市の条例で定める1・8㍍を超えていると指摘、工事開始の前日、市の検査員が現場を訪れたが、入ることを拒否されたと主張している。ペレラ氏は「現状では、法廷に持ち込まれることになる」と述べる一方で、国境の問題であり、州と連邦政府の環境関連法をもとに建設の可否は判断されることになるだろうとしている。

 これに対し、ウィー・ビルド・ザ・ウォール側の弁護士クリス・コバチ氏はワシントン・タイムズのインタビューで、市の検査員は現場を訪れていると主張、「許可は得ている。後日、建設許可手数料を支払うことになっている」と反論、完成に自信を示した。

 会長で退役傷病軍人のブライアン・カルファージ氏は「何者かが、市職員を買収し、プロジェクトを停止させようとしている」と強く反発、プロジェクトを非難したニューメキシコ州のグリシャム知事から圧力を受けていると主張している。

(ワシントン・タイムズ特約)