米がメタン排出規制廃止


 トランプ政権は、国有地での石油・ガス採掘で発生するメタンガスの排出規制を「欠陥がある」として廃止する。内務省が18日、2016年排出防止規則の改正規則を公表した。同省は、これによって、州や自治体の行政の障害となる「煩雑で重複していた要求」を排除すると共に、「陸上の国有地の石油とガスへの投資が急増している現状に適した規制」を復活させると主張した。

 排出防止規則はオバマ前政権の温暖化防止政策の一環として導入された。内務省によると、改正によって、石油・ガス企業のコストは10年間で13億~16億㌦減少する一方で、7億3400万~から10億㌦の経済効果が期待できるという。

 内務副長官は「クリーンな空気と水を求めると同時に、適切な規制が必要だ」と改正の必要性を訴えた。

 改正は、共和党とエネルギー企業から歓迎される一方で、民主党と環境保護グループは強く反発している。環境保護団体350.orgのビル・マッキベン会長は、「気候変動を大幅に悪化させる一方で、化石燃料企業だけが恩恵を受ける」と主張、民主党のマレー上院議員は、「あまりに無謀」と強く非難した。

 カリフォルニア州のバセラ司法長官は、ニューメキシコ州とともに改正規則の施行停止を求めて提訴したこと明らかにした。

 内務省は、排出防止規則は、環境保護局(EPA)、州の規制と重複し、無駄が多く、順守のための追加コストが発生するため小規模事業者が閉鎖の危機にさらされると、改正の正当性を訴えている。

 トランプ政権では、二酸化炭素排出量の削減を目指すオバマ前政権の大気浄化プラン廃止の措置がすでに取られている。改正規則は19年1月の発効予定。

(ワシントン・タイムズ特約)