アラスカ山脈の降雪量が急増


米研究、地球温暖化と関連か

 米アラスカ山脈の最高峰デナリの降雪量が19世紀半ばの産業革命の初期と比較して2倍以上になっていたことが明らかになった。学術誌サイエンティフィック・リポーツが19日、ダートマス大学などの研究報告を公表した。気候変動により降水が増加するとの従来の説が正しいことを示唆する研究結果だが、研究者らはさらに分析が必要としている。

 報告によると、アラスカ中南部の降雪は、200年足らずで、冬季で117%、夏季で49%増加したという。同大学の声明によると、降雪の増加は、温室効果ガスの増加によって生じた「数千キロ離れた太平洋・インド洋熱帯地方の海水温の上昇」と関連があるという。

 調査チームを率いる同大地球科学准教授のエリック・オスターバーグ氏は「近代の急激な気温上昇と大気汚染の悪化は科学的に確認されているが、気候変動に伴う降水の大幅な増加という現象を今、目の当たりにしている」と研究の成果を強調した。その一方で「何重もの確認が必要だ」と調査結果のさらなる分析の必要性を強調している。

 研究では、デナリ国立公園のハンター山から約4キロの地点で採取した2本の氷床コアを分析、現在の降雪量が少なくとも過去1200年で最大規模であり、「通常のばらつきの範囲を大きく超えている」ことが明らかになったとしている。

 地球温暖化で降雪が増加するという指摘はこれまでにもあり、ゴア副大統領(当時)は2011年に「温暖化によって吹雪が激しくなる可能性があることは、少なくとも20年前から科学者らが指摘してきた」と述べていた。

(ワシントン・タイムズ特約)