新型コロナ 米情報長官、研究所漏洩を示唆


発生の時期・場所は不明

 ヘインズ米国家情報長官は14日、新型コロナウイルスの発生源は中国の研究所での事故による漏洩(ろうえい)、または動物から人への感染が原因との見方を示した。米情報機関の高官が、漏洩の可能性を示唆したのは初めて。

 ヘインズ氏は上院情報委員会の公聴会で、「情報は二つの可能性を示している。感染した動物と人の接触、研究所の事故だ」と述べた。

 世界保健機関(WHO)は2月に実施した現地調査で、漏洩の可能性は「極めて低い」としていた。

 ヘインズ氏はまた、新型コロナ発生の時期、場所について正確には分からないとしたうえで、情報機関が調査を継続していることを明らかにした。

 米情報機関は、新型コロナの発生地とされる中国・武漢の武漢ウイルス研究所などに関する情報収集を進めており、1月には、漏洩の可能性を示す状況証拠があると発表していた。

 共和党のマルコ・ルビオ上院議員によると、中国ではこれまでにも、重症急性呼吸器症候群(SARS)など、ウイルス漏洩が複数発生している。ルビオ氏は「感染の連鎖が解明されない限り、新型コロナが自然発生と結論付けることはできない」との見方を示した。

 中央情報局(CIA)のバーンズ長官も同委での証言で、ヘインズ氏の主張を支持、発生源をめぐる「完全な情報公開と透明性」を中国指導部に要求した。

(ワシントン・タイムズ特約)