トランプ法廷闘争は「聖戦」
元在沖縄米海兵隊政務外交部次長 ロバート・D・エルドリッヂ氏
不正が疑われる事例が数多く出ている米大統領選をどう見るか。政治学者で元在沖縄米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏に聞いた。(聞き手=編集委員・早川俊行)
選挙不正は民主主義を破壊
日本では「不正疑惑」という言葉が使われるが、疑惑ではない。不正だ。不正がなければ、新型コロナウイルス禍でもトランプ大統領が勝っていただろう。それだけ民主党による大規模な不正があったということだ。

Robert D. Eldridge 1968年、米ニュージャージー州生まれ。神戸大学大学院で博士号取得。大阪大学大学院准教授を経て、在沖縄米海兵隊政務外交部次長になり、東日本大震災では米軍によるトモダチ作戦の立案に携わる。
民主党が不正を行う政党であることは、前から知られている。数え切れないほどだが、例えば、2月の民主党アイオワ州党員集会では、ブティジェッジ前サウスベンド市長がいち早く勝利宣言したが、ブティジェッジ陣営は集計アプリを作った「シャドウ」という会社に出資していた。しかも、この会社の創業者の夫が同陣営の顧問だった。このような会社が作ったアプリが公正だとは思えない。その後、票の大部分がサンダース上院議員からブティジェッジ氏に流れたと判明した。
大統領選では不正がさまざまな形で行われ、集計ソフトはその中の一つにすぎない。民主党支持の投票所職員による不正や、別人による成り済まし投票、民主党員が共和党員を装ってトランプ氏支持者の投票用紙を回収するといったことが行われたという。民主党はきれいなことを言いながら、違法・違反行為まで汚いことを平気でする集団だ。
私はトランプ支持者ではなく、トランプ氏にも投票しなかった。米国でさえ報道されない第三の政党の候補に入れたが、私が最も望むのは公平な選挙制度、すなわち真の民主主義だ。もし民主党のバイデン氏が同じ状況に置かれたとしても、同じことを言う。党派は関係ない。
不正がある限り、この選挙は無効にすべきだ。それが1票であってもだ。選挙の正統性の問題だからだ。無条件にバイデン氏が勝ったと主張する人たちはあまりに無責任だ。
トランプ氏が法廷闘争を続けるのは正しい。トランプ氏が敗北を認めないのは、わがままだからではない。どれほど多くの不正があったかを分かっているからだ。
トランプ氏には疑問が完全に消えるまで戦ってほしい。米国の民主主義が破壊されるか、正常の道に戻るのかの岐路だ。単に誰が勝つかという次元ではない。私はこの戦いを「聖戦」だと思っている。
メディアやバイデン陣営は、バイデン氏が勝者だという既成事実をどんどん作ろうとしている。不正の隠蔽(いんぺい)をメディアが隠蔽している。これは民主主義の破壊に加担しているに等しい。
メディアは民主党と癒着し、公平な報道をしていない。メディアがこれほど凋落(ちょうらく)するとは想像しなかった。メディアは本来、第四権力として政府を監視するはずだが、市民がメディアを監視しなければならない時期に来ている。
IT企業もひどい。バイデン氏の息子ハンター氏の疑惑報道について、ツイッターやフェイスブックは転載を制限した。メディアと企業が一つの党と一体となって特定候補を応援するのはファシズムそのものだ。
仮にバイデン氏が大統領になっても、国民の半分は選挙で不正が行われたと思っており、バイデン氏は4年間、不当な大統領と思われ続け、大変なことになる。
21世紀で最も偉大な国といわれる米国だが、国連選挙監視団が必要とされるほどの状況だ。日本の選挙の方がはるかに信頼が高い。戦後、米国が日本に民主主義を持ち込んだといわれるが、逆に今は日本から米国に民主主義を持ち込んでもらいたい。日本は米国を占領する必要があるように思われる。